
― BMWは指名買いされるメーカー。
その“違和感に気づく感性”に、私たちは応えたい ―
今回ご紹介するのは、
東京都内からお越しいただいた BMW M4 に、EXキーパーの部分施工と研磨を行った事例です。
BMW M4。
この名前を聞いて、
「たまたま選んだ車」と思う人はいないはずです。
BMWは“指名買いされるメーカー”です。
走り、剛性、レスポンス、音、デザイン。
そのどれか一つではなく、すべてを理解した上で選ばれる車。
M4は、そのBMWの思想を最も色濃く体現したモデルの一つです。
アクセルに足を乗せた瞬間の緊張感、
ステアリングから伝わる路面情報、
そしてボディ全体に宿る「張り」。
この車を選ぶということは、
車に対して明確な価値観と感性を持っている ということでもあります。
だからこそ今回の施工は、
単なる“部分補修”ではありませんでした。

■ 新車施工時の研磨によって生じた「白い靄」
― BMWオーナーだからこそ、見逃せなかった違和感 ―
オーナー様のお話では、
新車納車後すぐにキーパーラボで
「新車研磨+EXキーパー」を施工されたとのこと。
一見すると綺麗に見える。
しかし、晴天時や強い光の下でボディを見ると、
白く曇ったような靄(もや)が浮かび上がる。
これは、
BMWを指名買いするオーナーだからこそ気づく違和感です。
BMWの塗装は、
・面の張り
・光の切れ
・ラインの鋭さ
が非常に明確です。
だからこそ、
研磨時に熱をかけすぎると、
- 塗装表面が微細に荒れ
- 光が乱反射し
- “白い靄”として表面化する
という現象が起こります。
これは洗車や簡易研磨でどうにかなるものではありません。
塗装そのものがダメージを受けているサインです。
オーナー様は複数の店舗に相談されたそうですが、
返ってきた答えは、
「直せない」
「全体研磨しかない」
「これ以上触ると危険」
――ほぼすべて、断りの言葉だったとのこと。
それでも諦めなかったのは、
BMW M4という車を、
“このまま妥協した状態で乗りたくなかったから” だと思います。

■ 当店の判断:この靄は「消せる」。ただし誰でもできる作業ではない
実車を拝見し、
私たちはまず塗装の状態を冷静に見極めました。
結論から言えば、
この白い靄は除去可能。
ただし、
- 塗装の厚み
- ダメージの深さ
- 発生箇所
- BMW特有の塗装特性
これらを理解していなければ、
触った瞬間に取り返しがつかなくなる領域でもあります。
当店では、
- 部位ごとに研磨方法を変える
- エッジ・プレスラインは一切無理をしない
- 熱を溜めない研磨
- “削る”のではなく“整える”研磨
これを徹底しています。
今回は、
必要最小限の研磨で、白い靄だけをピンポイントで除去。
BMWが本来持っている
「緊張感のある白」
「面が張ったホワイト」
を、確実に取り戻しました
▼入庫時

▼研磨後

■ EXキーパーは“部分施工”ほど、施工者の理解力が試される
研磨後は、
その部分に EXキーパーを再施工。
EXキーパーは、
単に上から塗ればいいコーティングではありません。
- 膜の立ち上がり
- 硬化の進み方
- 光の入り方
- 全体との馴染ませ方
これらを理解していないと、
部分施工は必ず違和感として残ります。
当店ではEXの性質を熟知しているため、
部分施工であっても、
「どこを触ったのか分からない」
「最初からこの状態だったように見える」
そう言っていただける仕上がりを作ることができます。
施工後のM4は、
白でありながら深く、
鋭く、
BMWらしい緊張感を取り戻しました。

■ BMWを選ぶ人は、仕上がりに妥協しない
― だからこそ、遠方からでも辿り着く ―
東京都から新潟県十日町市。
施工のためだけに来る距離ではありません。
それでも来ていただけたのは、
「この車を、本来あるべき状態に戻したい」
その想いがあったからだと思います。
BMWは、
“走れば満足できる車”ではありません。
- 見た目
- 触感
- 光の反射
- 駐車場で眺めたときの佇まい
そのすべてを含めてBMWです。
だからBMWオーナーは、
違和感を放置できない。
そしてその違和感に、
私たちは真正面から向き合います。

■ 施工後のM4は「本来のBMW」に戻った
ヘキサゴンライトの下で見たM4は、
まさにBMWそのもの。
- ライトのラインが歪まず流れる
- 白なのに面が沈まず張っている
- ボディが立体的に見える
- “靄”という言葉が完全に消えた
EXキーパーの膜厚が、
BMWの造形をより強調し、
一段上の存在感を生み出しています。
■ 最後に
BMWは、指名買いされるメーカーです。
そしてBMW M4は、
その中でも妥協を許さない人が選ぶ一台です。
今回の施工は、
車の価値を理解し、
オーナーの感性を尊重し、
その期待に技術で応える――
そんな仕事でした。
他店で断られた内容でも、
「本来どうあるべきか」を基準に考え、
可能性がある限り、私たちは挑戦します。
BMW M4が、
また誇りを持って乗れる一台になったことを、
心から嬉しく思います。
また何かあれば、
いつでもご相談ください。

