新車なのに“新車じゃない”。だからこそ本気で整える、最初の一歩。
今回施工させていただいたのは、
レクサス LBX(新車・納車2日目)× クリスタルキーパー。
LBXはレクサスの新たなコンパクトSUVとして登場し、
上質でありながらカジュアル、そして圧倒的に扱いやすい人気急上昇中のモデルです。
都会的なデザインと高級感を併せ持ち、若い世代からファミリー層まで幅広い層に支持される“次世代レクサス”。
しかし今回の一台は、
納車からわずか二日であるにもかかわらず、すでに鉄粉や細かなシミがしっかり付着している状態でした。
「新車だからキレイなはず」
多くの方がそう思っていますが、実際は違います。
そしてもう一つ、今回重要だったのが
ドアノブ周辺の深めの傷。
オーナー様は妥協されていましたが、
実際に見て、そのままコーティングする選択肢はありませんでした。
“新車なのに綺麗ではない”—
その事実を前に、職人として、人として“何もせずにはいられない”。
この記事では、
LBXの施工過程を振り返りながら、
新車でも必ず必要となる下地処理の重要性、
そして**「新車の最初の一歩を整える」という意味**をお伝えします。

■ 新車だからこそ必要になる「鉄粉除去」
見えない汚れが“最初の艶”を奪っていく
今回のLBXも例外ではありませんでした。
ボディ全体に鉄粉が付着し、
専用クリーナーを噴霧すると紫色に反応。
鉄粉除去剤で紫色になるのは、
ボディに刺さった鉄粉が化学反応で溶け出している証拠。
新車でも100%付着しています。
なぜ新車に鉄粉が付くのか?
理由はシンプルで、
- 工場のライン
- 輸送トラック
- 港湾エリア
- ディーラー敷地
- 納車前の保管中
このすべてで“空気中の鉄粉”に晒されているからです。
つまり新車とは
「傷は少ないが、汚れは確実にある状態」
だと言えます。
鉄粉を残したままコーティングすれば、
後からシミになりやすく、
コーティングの定着力も落ちてしまいます。
最初の一歩、
“本当の新車の状態に戻す”ためには
鉄粉除去は絶対に欠かせません。

■ ドアノブの傷──新車でも普通に存在する問題
オーナー様が「妥協」していても、私は妥協しない。
今回のLBXで一番気になったのは、
ドアノブ周辺のこすれ傷。
新車でも、輸送や整備の工程で簡単に傷が入ります。
しかしオーナー様は、
「新車でもこういうものですよね…」
と、諦めたように話されていました。
でも私は、その一言がどうしても胸に残りました。
新車を楽しみにして納車日を迎えたのに、
最初から傷があるなんて、
それで“仕方ない”と思ってほしくない。
だから私は無料で研磨しました。
理由はただ一つ。
「新車おめでとうございます」を、仕上がりで伝えたいから。
こういう気持ちは決して表には出ませんが、
仕上がりの“質”として必ず現れます。
ドアノブがクリアになっただけで、
LBX全体の印象が、驚くほど引き締まりました。
▼作業前

▼作業後

■ 下地を整えたからこそ光る
クリスタルキーパーの“素直な艶”
鉄粉除去、軽研磨、ドアノブの仕上げ。
すべての土台が整ったところで、
いよいよ クリスタルキーパー の施工へ。
クリスタルキーパーは
- 高密度ガラス被膜
- レジン被膜
の二層構造で、
透明感のある艶と汚れにくさを生み出すコーティングです。
LBXのような、
「ハイブランド × コンパクト」
という車には驚くほど相性が良く、
- 光を柔らかく反射しながら
- シャープなラインを崩さず
- “上質で優しい表情”に仕上がる
という極めて美しい変化を生みます。
下地が整っていることで、
クリスタルキーパーが“本来の透明感”を十分に発揮。
塗装の奥に光が吸い込まれるような、
新車以上の新車感が生まれました。

■ 新車コーティングで絶対に伝えたいこと
「新車=整えてからが本当のスタート」。
今回のLBXのように
新車納車直後でも鉄粉・傷は必ず存在します。
しかしそれは、
オーナー様の管理が悪いのではなく、
“業界の構造”として避けられないもの。
だからこそ、納車直後の
最初のケアが本当に大事。
最初に下地を整えることで
その後の1年、2年、3年と
塗装状態が大きく変わっていきます。
新車は「美しさのピーク」ではありません。
“スタート地点”です。
最初の一歩に手を抜かないことで、
その後の美しさが見違えるほど変わります。
■ 今回のLBXが教えてくれたこと
「職人としてだけでなく、人として向き合うことの大切さ」
新車施工は技術の仕事ですが、
それ以上に“想いの仕事”でもあります。
きれいに乗りたい気持ち。
新車にワクワクする気持ち。
大切にしたい気持ち。
その全部に応えるために、
私は妥協したくありません。
今回ドアノブを無料で研磨したのは、
サービスではありません。
“新車の感動をもう一度お渡ししたい”
その一心です。
こういう気持ちは、
施工後の艶、触れた瞬間の滑らかさ、
そしてオーナー様の笑顔に必ず表れます。
レクサス LBX。
これからまた、美しいカーライフが始まりますように。
次回のメンテナンスで、きれいに育った艶を見るのを楽しみにしています。

