スズキ・ラパンLC × 雨ジミ除去&研磨+クリスタルキーパー

「かわいい車にこそ、本当の艶を。」

ベージュのラパンLC。
初めてご入庫いただいたその瞬間、
「あ、これは絶対にかわいくなる。」
そう直感した一台でした。

丸みのあるシルエット、
淡いベージュカラーの柔らかさ、
そして “ラパンLC特有のクラシカルな雰囲気”。

女性に根強い人気がある理由は、
見た瞬間に“気持ちが明るくなる車”だからです。
しかし今回は、その可愛さと裏腹に、
ボディ全体に雨ジミ・くすみ・傷が広がっていました。

(📸写真①:作業前・全体写真)

可愛い車ほど、
少しの汚れが大きく見えてしまう。
それは色味の明るさと形のシンプルさが原因です。
今回の施工は、
「かわいさを取り戻す作業」ではなく
“かわいさを最大化する作業”でした。


■ まず向き合うのは、鉄粉と雨ジミ

“雨の跡”は時間が経つほど固く、深くなる

ベージュのような淡色ボディは、
“雨ジミ(イオンデポジット)”が非常に目立ちます。
特にここ新潟では、
雪解け時期の融雪剤や黄砂、花粉が混ざった雨で、
新車でもすぐにシミが残ってしまうのが現実です。

まずは全体に鉄粉除去剤を噴霧すると、
ボディに残っている鉄粉が反応して紫色に変化。

(📸写真②:鉄粉除去剤で紫反応)

「こんなに付いていたんだ…」
初めて見る方は驚かれることも多いですが、
鉄粉は洗車だけでは落とせない“塗装の天敵”。

これを残したままコーティングすると、
被膜の内側に鉄粉が残り、
後から“シミの発生源”になってしまいます。

だからこそ、最初の除去工程が何より重要。
下地づくりの8割は、ここで決まると言っても過言ではありません。


■ ボンネットの傷と向き合う

“かわいさ”を曇らせていた原因

次にライトで照らし、ボンネットを確認すると、
細かな擦り傷が無数に走っていました。

(📸写真③:ボンネットの傷写真)

これは、
・雨上がり拭き上げの摩擦
・タオルの繊維
・自動洗車機のブラシ
さまざまな原因が積み重なって生まれます。

淡いベージュは、
白ほどではないにせよ“曇りがあるとすぐにわかる色”です。
つまり、本来の透明感を出すには、
この傷をしっかり整えてあげる必要があります。


■ 研磨──“色が息を取り戻す”瞬間

ラパンLCの魅力を最大限に引き上げる工程

今回は
“スタンダード研磨より少し踏み込んだ整え研磨”
を選択しました。

理由は単純。
「かわいい車にこそ、綺麗な色を出してあげたいから。」

優しいデザインの車は、
色がきれいだと本当に“軽やかに見える”んです。

研磨を入れると、
ベージュ特有の“ふんわりとしたツヤ”がよみがえります。

(📸写真④:傷を研磨で除去後の比較写真)

▼作業前

▼作業後


(📸写真⑨:研磨後ボンネット全体)

ライトを当てると、
細かな傷がまったく見えなくなるほど滑らかに。
塗装肌が整うと、
同じベージュでも “色が深く・明るく・柔らかく” 見えるようになります。

これこそ研磨の力です。


■ 天井の仕上がりで“職人の本気”が伝わる

天井は見られないようで、実は一番汚れが溜まる場所。

(📸写真⑦:助手席後ろからの天井)


(📸写真⑧:運転席後ろからの天井)

天井がきれいになると、
車全体の印象がぐっと変わります。
白でも黒でもなく”ベージュ”だからこそ、
天井のくすみの差がとても出やすい。

研磨によって均一なスッキリ感が出ると、
車そのものが若返ったように感じられます。


■ クリスタルキーパー──“かわいさを閉じ込める透明被膜”

1年間、本気で守るための選択

下地が整ったら、
いよいよ“クリスタルキーパー”の出番です。

クリスタルキーパーは、
・高密度ガラス被膜
・レジン被膜
の2層構造によって
透明感あるツヤと防汚性能 を両立してくれるコーティングです。

ラパンLCの丸みのある形や柔らかいベージュカラーとは、
驚くほど相性が良いです。

「主張しない艶」
「自然で可愛い艶」
「嫌味がない艶」

この表現が本当に似合います。

(📸写真⑤:研磨後の車全体)


■ 完成──“かわいさの最上級”へ

仕上がった車を前に、
「かわいい車が、本当にかわいくなる瞬間」
というものを久しぶりに感じました。

(📸写真⑩:正面からの完成写真)

雨ジミも、鉄粉も、くすみも、傷も。
ベージュの優しい色を曇らせていた要因がすべて解決され、
本来のラパンLCが持つ可愛さが、
何倍にも引き出されました。

職人として、
この“変化の瞬間”を見るたびに思います。

「車の価値は、デザインではなく、手をかけた数で決まる」


■ 終わりに──かわいい車ほど、大切にしたい

かわいい車を大切に乗りたいという気持ち。
その気持ちがはっきり伝わるオーナー様でした。

今回の施工は、
ただ綺麗にするのではなく、
“愛車の魅力を最大限に引き出す作業” でした。

雨ジミで悩んでいた車が、
研磨とクリスタルキーパーでここまで変わる。

「今までで一番かわいく見える」
そんな風に思っていただければ、
私たちはそれだけで十分です。

これからまた、このラパンLCが
毎日の生活を明るくしてくれますように。
そしてまた、次のメンテナンスでお会いできると嬉しいです。